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■大江順■
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大江順 作
世話寄年頭(合邦) 16.5cm
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常右衛門の子で、順右衛門と称していた。徳島市国府町和田に住して、父と共に人形を製作していたが、後大阪文楽座の人形師となり大江順栄として、明治42(1909)年1月2日の番付より明治42年5月16日の番付まで4回番付に記載されている。以後淡路に移り大江順栄と称し、明治45(1912)年淡路にて死亡。淡路島三原郡三原町市村に墓所がある。 |
(『松茂町歴史民俗資料館・人形浄瑠璃芝居資料館 図録 ―人形浄瑠璃関係資料―』の中西仁智雄氏の解説を一部修正して紹介。) |
●『摂州合邦ヶ辻』の「合邦」 |
人形頭の名前「合邦」は『摂州合邦ヶ辻』の登場人物の名に由来する。『摂州合邦ヶ辻』は菅専助・若竹笛躬合作、安永2年(1773)大阪で初演で後期人形浄瑠璃の代表的な作品。上下2巻の話だが、もっぱら下巻切りの「合邦庵室の段」が多く上演される。
後妻の玉手御前は、世継ぎの俊徳丸に恋をし、許嫁に愛想を尽かせるために俊徳丸に毒薬を飲ませ醜い姿にする。それを知った玉手御前の父、合邦は怒って娘を刺してしまう。死ぬ間際に玉手は、すべては俊徳丸殺害の陰謀から彼を救うための計略であり、自分の生き血を飲めば俊徳丸も元の姿にもどることを明かす。全てはお家安泰のためだった、という筋書き。 |
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