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阿波人形浄瑠璃芝居  
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松茂の浄瑠璃と人形芝居
 
幟はためく松茂座
◆幟はためく松茂座 (写真提供:赤沢修二氏)
松茂は人形浄瑠璃のお芝居がとっても盛んなところだったんだ。
 松茂は、その昔、浄瑠璃(義太夫)が盛んな芸所として知られていました。幕末・明治の時代、松茂を中心に活躍した豊竹土佐太夫・豊竹緑太夫や、明治期に大阪文楽座に入った桜井賢一など、著名な太夫をたくさん輩出しています。三味線でも、大正から昭和にかけて活躍した鶴澤権平などが知られており、松茂の浄瑠璃(義太夫)熱の高さをうかがい知ることができます。

 また、住民の娯楽と、こうした浄瑠璃(義太夫)芸の披露を兼ねての人形浄瑠璃芝居興行も盛んでした。笹木野春日神社の古文書の中には、江戸時代後期に芝居興行を徳島藩の郡代に願い出た記録が残されています。明治時代以降も、芝居興行は社寺や素封家の庭に臨時の小屋を設けてたびたび行われました。戦後、広島に映画館兼劇場の「松茂座」が建設され、屋内劇場での芝居興行も実現しました。
 
満員の観客席
◆満員の観客席
 
松茂座は大盛況
舞台の熱演
◆舞台の熱演
 昭和24年(1949)に、旧海軍兵舎の払い下げをうけて建設された松茂座は、現在の松茂農協の場所にあり、映画館兼劇場として松茂の人々に親しまれていました。

 昭和30年(1955)ごろには、屋外に太夫の名を記した幟が林立し、場内は満員の盛況でした。人形遣いは町外から人形座を招きましたが、浄瑠璃(義太夫)を語る太夫と三味線はいずれも松茂の人たちで、日ごろ稽古を重ねた自慢の芸を披露したのです。

 娯楽の少なかった当時にあって、人形芝居や映画を上演する松茂座は、人々の憩いの場でした。しかし、昭和34年(1959)のテレビ放送開始(NHK徳島・四国放送)にともない観客が激減し、ほどなく松茂座は惜しまれつつ閉館しました。
 
活躍した義太夫・三味線たち
豊竹土佐太夫の墓
◆豊竹土佐太夫の墓(広島共同墓地)
 松茂は、その昔、浄瑠璃(義太夫)が盛んな町として知られ、著名な太夫・三味線を輩出しました。

 太夫では、幕末・明治に活躍した広島の豊竹土佐太夫と、笹木野の豊竹緑太夫が有名です。土佐太夫は本名を細川筆太郎といい、時代物(合戦などの歴史上の事件をテーマにした物語)を得意とし、多くの弟子に恵まれました。墓は広島の共同墓地にあり、弟子たちによって建てられた立派なものです。緑太夫は本名を後藤只蔵といい、芸の道ひとすじに生きた名人で、県内はもとより、大阪へも巡業に出かけました。ひいきの観客からは「緑」と呼ばれて、人気を博しました。

 三味線では、淡路出身で長原に住んだ鶴澤権平が知られています。権平は、本名を上村助太郎といい、戦前から戦後にかけて、多くの弟子の指導にあたりました。
 
今、脚光を浴びる人形浄瑠璃芝居
 今、松茂では、ふるさとの浄瑠璃(義太夫)と人形芝居の文化を保存し、継承する取り組みが行われています。

 継承する取り組みとしては、平成5年(1993)に松茂町の女性有志が「ふれあい座」を結成し、人形浄瑠璃芝居の上演を行っています。平成11年(1999)には、阿波人形浄瑠璃が国の重要無形民俗文化財になり、「ふれあい座」を含む財団法人阿波人形浄瑠璃振興会が、その保存団体に指定されました。また、町内在住の人形師作本祐二さんは、人形・頭の制作を行うとともに、アマチュア制作グループへの指導も行っています。他にも町内の浄瑠璃(義太夫)愛好家が、当館を会場に稽古・公演を行っています。

 ふるさとの歴史にちなんだ、松茂町の新たな「文化おこし」といえるでしょう。
 
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「傾城阿波の鳴門」順礼歌の段
◆「傾城阿波の鳴門」順礼歌の段 ふれあい座の熱演
人形浄瑠璃「ふれあい座」
 平成5年(1993)10月、資料館開館を機に、有志で人形浄瑠璃芝居の文化を再興しようという声があがり、人形浄瑠璃「ふれあい座」が、スタートしました。最初は婦人会のメンバーを中心に約20名が集まり、稽古を開始しました。平成6年(1994)7月30日には、資料館屋外舞台にて、約100人の観客を前に初舞台を踏みました。公募によって選考した「ふれあい座」という座名は、人形遣い・太夫(語り)・三味線という演ずる者の心がふれあい、至高の芸を目指すという意味とともに、演ずる者と観客との心がふれあい、素晴らしい演劇空間を作り上げようという気持ちが込められています。また、公演活動のみならず、若い後継者の育成にも取り組んでいます。
私もやってみようかな。
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